保険会社情報
保険代理店になるために必要な資格/ホームメイト
保険代理店とは、保険会社と契約者の間に入り、保険会社が提供する各保険商品を提供する事業者のことを言います。保険代理店が提供するサービスは、保険商品の紹介やアドバイスをはじめ、契約後における保険内容の変更や解約、保険金請求金の手続きなど。また、保険代理店は「生命保険代理店」と「損害保険代理店」に大別され、保険契約の締結に関する権限が異なります。さらに生命保険代理店や損害保険代理店で働くためには、保険募集人の資格が必要です。
ここでは、保険代理店について詳しく解説。また生命保険代理店や損害保険代理店になるために必要な資格はもちろん、試験内容や保険代理店になる上で役に立つ資格などもご紹介します。
※2022年(令和4年)3月時点での情報です。
保険代理店の業務と種類
保険代理店は保険会社と顧客の間で契約締結を媒介し、保険料を領収することを基本業務とした事業者です。
その他の主な業務として「保険商品の説明」「契約の意向把握・確認」「保険料領収書の発行」「契約の変更・解除などの受付」を行います。
また、保険代理店は顧客の保険相談には無料で応じるのが一般的です。契約後も保険契約の助言や請求書手続きに関する業務などを担当します。なお、保険は生命保険や医療保険を扱う「生命保険」と自動車保険、火災保険、傷害保険を扱う「損害保険」に分類。どちらの保険を扱うかによって、代理店も「生命保険代理店」と「損害保険代理店」に分かれます。生命保険代理店と損害保険代理店では、保険契約締結時における権限が異なるため、注意が必要です。
生命保険代理店と損害保険代理店の違い
| 保険商品 | 特徴 | |
|---|---|---|
| 生命保険代理店 | 死亡保険 医療保険 がん保険 終身保険など |
保険契約を締結する権限や告知の受領権は与えられておらず、「媒介」となっている。契約者が生命保険代理店に対し申込みを行い、後日、保険会社が申込みの承諾をしたときに契約が成立。 |
| 損害保険代理店 | 自動車保険 火災保険 傷害保険 地震保険など |
保険会社の委託契約により、保険会社の代理として保険契約を締結する権限や告知の受領権が与えられている。契約者が損害保険代理店に対して申込みを行い、損害保険代理店が承諾をすることで保険会社と契約者の間で保険契約が成立。 |
告知とは、契約者や被保険者が申込書を提出するにあたって、保険会社が求める事項について正確に伝えることを言います。生命保険の場合は、「被保険者の職業・職務」「過去の傷病歴」「現在の健康状態」「身体の障害状態」など。これに対し損害保険の場合は、保険商品によって異なりますが、「被保険者の職業・職務」「自動車の車種・登録番号」「建物の構造・用途」「重複保険契約の有無」などがあります。もし契約者が偽りの情報を告知した場合には、告知義務違反となり、保険契約が解除される可能性も。契約解除されると、保険金や給付金などが支払われません。
保険代理店になるための資格とは
生命保険や損害保険を販売する人のことを「保険募集人」と言い、保険代理店になるために必要な資格です。保険募集人の資格を取得するには、保険の知識はもちろん、コンプライアンスや税金など様々な知識を備えなくてはなりません。また、生命保険代理店と損害保険代理店では、資格の取得方法が異なります。ここでは、資格を取得するまでの流れについて、それぞれ見ていきましょう。
生命保険代理店の資格を取得するまでの流れ
生命保険を扱う代理店では、まず生命保険契約の募集を行う「生命保険募集人」の資格が必要です。各保険会社が行っている代理店研修を受講後、生命保険協会が実施している「生命保険一般過程試験」(生保募集人試験)に合格しなくてはなりません。なお、一般過程とは、生命保険の基本的なことを取得するための過程のこと。100点満点中70点以上で合格となり、合格後、金融監督庁長官(内閣総理大臣)に登録申請を行います。登録が受理されることで、生命保険募集人として認められるのです。
しかし、生命保険募集人に登録したからと言って、すべての生命保険商品を扱えるわけではありません。保険会社の商品を複数取り扱う場合には、さらに「専門課程試験」に合格する必要があります。生命保険の専門課程とは、生命保険の販売や勧誘を行うために、より専門的な知識を身に付けるための試験です。一般過程で得た基本知識をもとに生命保険の販売に関連する専門知識を修得し、顧客ニーズへの対応力を高めることを目的としており、一般過程試験に比べて難易度は高め。専門課程試験に合格すると「ライフ・コンサルタント」(LC)の称号が授与されます。
その他にも、専門課程試験で得た知識を活かした応用力や実践力を養成し、ファイナンシャル・プランニング・サービスに必要な知識を得ることを目的とした「応用過程試験」、応用過程試験合格者を対象とし、さらにファイナンシャルプランナーの育成を目的とした「生命保険大学課程試験」が存在。応用過程試験に合格すれば、「シニア・ライフ・コンサルタント」(SLC)、生命保険大学課程に合格し、一定の条件を満たすものには「トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)」(TLC)の称号が授与されます。
業界共通教育課程
(注1)研修日数・時間はモデルケース
継続教育制度
原則すべての生命保険募集人が、当協会が定める継続教育制度標準カリキュラムに則った研修などを毎年履修する。
※所属する生命保険会社・代理店にて研修を実施します。
「変額保険」を扱う場合には、変額保険販売試験に合格しなくてはなりません。変額保険とは、運用実績に基づいて死亡・高度障害保険金や解約返戻金が増減する保険のことで、試験を受けるには、生命保険募集人として登録済みであること、専門課程合格者であることが条件となってきます。また、2020年(令和2年)10月には、生命保険業界において約30年ぶりとなる新資格「外貨建保険販売資格」の試験が実施。2022年(令和4年)4月から「外貨建保険の販売者資格登録制度」が開始され、外貨建保険販売資格を持っていなければ、外貨保険を取り扱うことはできません。
生命保険代理店になるための試験について
| 試験 | 開催月 | 試験時間 | 受験可能回数 |
|---|---|---|---|
| 一般過程試験 | 毎月(通年) | 40分 | ― |
| 専門課程試験 | 毎月(通年) | 80分 | ― |
| 応用過程試験 | 毎月(通年) | 80分 | 3回 |
| 大学課程試験 | 科目ごとに開催月が 設定される |
1科目につき 80分 |
1科目につき2回 |
| 変額保険販売資格試験 | 毎月(通年) | 40分 | 3回 |
| 生命保険口座 | 科目ごとに開催月が 設定される |
1科目につき 80分 |
1科目につき1回 |
| 外貨建保険 販売資格試験 |
毎月(通年) | 40分 | ― |
生命保険代理店業務に必要な資格試験は、試験ごとに開催月が設定され、年間の受験可能回数を上限に試験を受けることができます。なお、2020年(令和2年)4月より、全試験が媒体からコンピューター試験(CBT)に変更されました。
損害保険代理店の資格を取得するまでの流れ
損害保険を扱う代理店では、損害保険契約の募集を行う「損害保険募集人」の資格が必要です。どの損害保険会社の代理店として販売したいかを決定した後、各保険会社が実施する研修・試験を受け、保険販売に関する法令または保険証人に関する知識を取得しなくてはなりません。
これらの研修・試験は、損害保険会社によって異なりますが、ほとんどの保険会社では、日本損害保険協会が実施する「損害保険募集人一般試験」(損保一般試験)を利用。損保一般試験は、保険資格のなかで、もっとも難しい資格試験と言われています。
損保一般試験には、基礎単位と商品単位(自動車保険単位、火災保険単位、傷害疾病保険単位)があり、基礎単位に合格しなければ代理店登録や損害保険募集人の届出ができません。
基礎単位試験は月曜日から土曜日の間、ほぼ毎日実施されています。試験時間は各単位40分で、合格基準点は100点満点中70点以上です。
原則として、損害保険募集人は取り扱う保険商品に応じた商品単位に合格しなければ、該当する保険商品を取り扱うことはできないため注意が必要です。
損害保険代理店になるための試験について
| 試験単位 | 試験内容 |
|---|---|
| 基礎単位 | 損害保険の基礎知識、コンプライアンス、代理店の日常業務、損害保険の商品などの周辺知識が問われます。約90%の受験生が合格すると言われ、難易度は決して高いものではありません。 |
| 自動車保険単位 | 商品単位試験のなかでもっともメインになる分野。法律上、強制的に加入が義務付けられている自賠責保険と、民間の自動車保険の2つが出題されます。 |
| 火災保険単位 | 住宅物件、一般物件、工事物件、倉庫物件に分類された保険について出題。また地震保険の出題頻度は高く、家屋の全損や半損となるための損害割合など数字に関する出題が多めです。 |
| 傷害疾病保険単位 | 傷害疾病定額保険と傷害疾病損害保険に関する基本事項が出題。この2つの違いを知り、どのような場合に保険金が支払われるかを把握する必要があります。 |
損保一般試験はコンピューター試験(CBT)により実施され、単位ごとに5年の更新制となっています。なお、試験に合格後、保険会社と「代理店委託契約」を結び、代理店の所在地を管轄する財務局(内閣総理大臣)に登録手続きを行う必要があります。財務局による審査・登録が完了することで、代理店としての保険販売を行うことができるのです。
保険代理店になる上で役に立つ資格
保険会社の商品である保険は、多くが保険会社と代理店契約を結んだ保険代理店を通じて販売されます。しかし、保険代理店では、ただ保険商品を販売するのではなく、顧客へのアドバイスを行ったり、保険商品を提案したりすることも大事な業務。ここでは、保険代理店に役に立つ資格を紹介しましょう。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー(FP)とは、税金や保険、年金などの幅広い知識と視野を持ち、資産運用にかかわる問題やライフプランを提案する専門家のことです。ファイナンシャルプランナーの資格を持っていれば、貯蓄のための保険商品を提案したり、相続税対策としての保険商品を提案したりすることができます。
ファイナンシャルプランナーは、日本FP協会の資格(CFP・AFP)とFP技能士の2種類に大別。日本FP協会が認定するCFPやAFPは、民間資格となっています。これに対し、FP技能士は国家資格。1~3級の資格が設けられており、FP技能士1級とCFP、2級とAFPが同程度の難易度となっています。いずれの資格も認知度は高く、取得していると便利です。
なお、ファイナンシャルプランナーの出題範囲は広く、独学ではなかなか理解が進まない場合があります。そのため、資格取得に向けて通信講座や専門学校を利用し、効率よく学習を進めることもおすすめです。
まとめ
保険代理店には、生命保険代理店と損害保険代理店があり、これらの代理店で活躍するためには、保険募集人の資格を取得し、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。しかし、ただ保険募集人の資格を取得しただけでは、すべての保険商品を扱うことができません。
まずは生命保険代理店や損害保険代理店の特徴を知り、それぞれの保険商品を扱うためにはどのような試験を受ければいいかを把握することが大切と言えます。
本記事に掲載されている内容は、保険代理店になるために一般的な概要を説明したものです。また記載の内容は、当該情報の正確性や完全性を保証するものではなく、予告なしに変更・削除する場合がございます。掲載されている情報によって被ったいかなる損害や損失につきましても、当社は一切責任を負いません。