子ども保険ってなに?保障内容を解説
金銭的な理由から子どもを持つことを敬遠する人が多く、少子化に拍車をかけていることは周知の事実と言えるでしょう。
子育てに伴う金銭面での問題に対する不安は根強く、この不安に呼応する形で、多くの保険会社が取り扱い始めたのが通称「子ども保険」です。
保険会社によって名称は異なるものの、この手の保険は近年急増しており、少子化問題に一石を投じることが期待されています。
しかしながら、この子ども保険の存在や詳細を知っている人は決して多くはなく、実際にその存在を知ったのは子どもができてからだったというケースも少なくありません。
ここでは、子どもを持たない人でもその詳細を知ることができるよう、子ども保険の保障内容やメリットについて解説しましょう。
子育てを金銭面でサポートする保険
子ども保険は、より計画的な子育てをしたいと望む保護者向けに、金銭面で子育てのサポートを目的として誕生した保険です。詳細については後述しますが、その保障内容は主に2つのものに分けて考えられます。
ひとつは進学などの子育てを行なっていくうえで、間違いなく訪れる出来事に際して必要となる出費のサポートです。
これらの出費は教育費の無償化などにより、一般家庭における負担は今後も軽くなることが予想されるものの、制服やその他の備品などの購入費が家計にとって重荷になるケースも少なくないため、その存在意義がなくなることはほぼないと言えるでしょう。
もうひとつは不慮の事態による収入減や、子どもの入院費などの保障です。これらの出費は予期することが難しく、あらかじめ準備をしておくことも困難であるため、その分家計への負担も重くなってしまうものと言えます。
子ども保険が誕生したのは、このような不測の事態に対する不安が、保護者の間で高まったことが原因とも言えるでしょう。
また、保険会社によってはこれらの保障以外にも、お祝い金の支給や立て替え制度などを設けることで、他社の類似商品との差別化を図っている場合が多いです。それらの詳細についても後述しましょう。
期間や掛け金の幅が広い
子ども保険はその他の保険と違い、子どもを持つすべての家庭が対象となるため、加入希望者が多い一方、経済的な理由から加入を断念せざるを得ない家庭が多いことも事実です。
そのような事実を顧み、ほとんどの保険会社が提供する子ども保険では、対象とする期間を「小学校入学まで」、「大学卒業まで」など、幅広く用意することで、加入希望者の幅広いニーズに応えるための体制を整えています。
これにより、保険による保障が本当に必要な期間のみ掛け金を支払えばよくなるため、加入者側にとっては出費を最小限に抑えられるのがメリットです。
また、期間だけでなく、掛け金の幅が広いことも子ども保険のメリットのひとつだと言えます。
中には、契約者の収入や、契約者が父親か母親かによって掛け金が変わる子ども保険を取り扱っている保険会社もあるため、各々の保険の特徴をよく比較する必要があるでしょう。
一方で期間や掛け金に幅がある点は選択肢が多いと言い換えることもできるため、十分な判断能力がなければ、それらのメリットによる恩恵を受けられないことも想定されます。
そのため、保険会社ごとに取り扱っている商品の詳細を比較するだけでなく、数年後の将来像などを見据えた、自身ならではの条件なども十分に考慮して、保険を選びましょう。
進学時期に合わせたお祝い金の支給
子どもの進学時には制服や教科書などの購入費が家計にとって大きな負担になることも少なくありません。
特に子どもが複数人いる家庭の場合、毎年進学時期には多額な負担がかかるため、金銭的なサポートを必要としている家庭も多いでしょう。子ども保険に含まれることが多い進学時のお祝い金支給制度は、このような家庭にとって大きな支えになると言えます。
比較的知名度の高い保険会社が取り扱う子ども保険の中には、進学時期に合わせたお祝い金の支給制度を設けているものが過半数を占めています。
支給金額は保険会社や保険によって異なるものの、ほとんどの場合、小中高大の入学時を支給時期としており、中には成人時にもお祝い金の支給を行なっている保険も存在するのが特徴です。
お祝い金の金額は保険によって様々ですが、具体的な金額は主に2種類の方法によって決定されていることがほとんどです。
ひとつは固定金額制と言い、掛け金の支払いが滞るなどの問題がない限り、あらかじめ決められた金額が進学時期に支給される方法。
もうひとつは掛け金に対するパーセンテージが決められている方式で、問題なく支払われた基本掛け金の10~100%程度の金額が、子どもの年齢に応じて支給される方法です。
また、これらの金額は契約時の子どもの年齢によって変わることもあるため、契約時に確認する必要があります。
契約者の万が一のときをサポート
子ども保険に限らず、万が一のときのための備えとなるのが保険で、保障内容が充実していれば充実している程、その存在意義が高いことは言うまでもありません。この点において子ども保険には、主に2種類の保障が用意されています。
ここでは最初に、この2種類のうちのひとつである、「契約者」に対する万が一の事態に備えた保障について解説しましょう。
子ども保険における契約者は、少し考えると子どものようにも思えてしまいますが、実際には親であることがほとんど。そのため、ここで言う契約者に対する万が一の事態とは、親に対する万が一の事態を指します。
親に対する万が一の事態の中で、子育てにも大きな影響が生じるのが、病気やけが。特に長期の入院や手術を伴うものの場合、治療費が家計を大きく圧迫するだけでなく、仕事ができなくなることによる収入の減少もまた、子育てに大きな影響を及ぼすことが考えられるでしょう。
子ども保険ではこのような事態に陥った家庭に対し、一時金の支給や子どもが成人するまでの間、基本掛け金の数割の金額を、養育年金として支給するなどの保障を行ないます。
また、万が一、親が死亡した場合、さらに死亡給付金などを支給することを規定するなどして、子育てを幅広くサポートする体制が整えられている子ども保険もあるのです。
子どもの病気・けがの治療費を保障
子ども保険では、契約者となる親の万が一の事態だけでなく、子どもの万が一の事態も保障対象としています。特に小さな子どもは突然体調を崩し、入院などを余儀なくされる場合も少なくありません。
高額になりがちな入院費や、親が看病をするために仕事を休むことによる収入の減少などに、保険金を充ててカバーするなど、家計の負担を最小限に抑えることも可能です。
また、子ども保険の保障内容には、子どものけがによる入院、手術も含まれており、この場合も充実した保障を受けることができます。
そのため、スポーツなどでけがをすることが多い子どもの親が、子ども保険に加入するケースも多く、中にはサッカーや野球などのスポーツ少年団が、団体でまとめて子ども保険に加入するケースも少なくないのです。
一方で近年では法改正により少額短期保険の取り扱いが可能になったこともあり、スポーツでのけがなどに限定した、少額の掛け金で加入できる子ども保険も登場しています。
このタイプの子ども保険は、子どもの対象年齢が限定されているケースなどもありますが、子どもの年齢に応じて保険を乗り換えることで、充実した保障を受けられることも少なくありません。そのため、より少ない掛け金で、万が一の事態に備えたいという家庭が加入するケースも多いです。
立て替え機能もあり
小さな子どもがいる家庭では、子どもが突然病気やけがをすることが多いだけでなく、両親が若く、経済的に完全に自立できていないケースも少なくありません。
そのため、予期せぬ出費の急増や、収入の減少などにより、子ども保険の掛け金が支払えなくなることも多いと言えます。
通常、保険の掛け金が支払えなくなった場合、その時点で保険を解約しなくてはならないですが、子ども保険の場合は、その特徴が年金などと似ており、一度掛け金を支払えなくなっただけで解約をしてしまうと、それまでに支払った掛け金が無駄になってしまうだけでなく、その後の子どもの人生にも、大きな悪影響を与えてしまうことが予想されるでしょう。
このような子ども保険の特徴を考慮し、多くの保険会社では子ども保険に限り、一時的な掛け金の立て替え制度を設けている場合が多数あります。
これにより、掛け金の滞納により即刻の契約失効は避けることができ、立て替え分を支払ったのち、それ以降の掛け金を問題なく支払い続ければ、入学祝い金なども通常通り受け取ることができるのです。
一方で立て替え制度にも猶予期間が設けられているため、その期間内に立て替え分を支払うことを遵守しなくてはなりません。特に経済的な理由ではなく、うっかり支払いを忘れていたなどの理由で、契約が失効されてしまうケースもあるため、注意が必要です。
子ども保険の将来性
近年、一部国会議員の間で国主導による「子ども保険」の議論が盛んになっていて、2020年以降の実現を目指しているとの報道もされています。
子育て世代を支援する新たな社会保障制度としての子ども保険は、少子化対策の一環でもあり、多額の税金が投入されることも予想されるでしょう。
その分保障内容は、民間の保険会社が提供する子ども保険を大きく凌ぐ可能性があります。仮に実現に至った場合、民間企業が提供する子ども保険の存在意義が大きく揺らぐことは明らかです。
一方で国が行なう子ども保険には、教育費の無償化と同様に、財源をいかにして確保するのかという問題が付きまとい、その問題を解決できない限り実現は難しいという意見も聞かれています。
特に少子高齢化がさらに進んだ社会では、すでに子育てを終えた世代から、子育てよりも高齢者の介護を優先するべきであるとの不満が噴出することも予想でき、実現への道のりは険しいと言えるでしょう。
そのため、現時点においては民間の保険会社が提供する子ども保険の存在意義がすぐに損なわれるということは考えにくく、長期的な視野で見れば、その将来性は不透明な部分もあるでしょう。
民間の保険会社が提供する子ども保険が、将来性という点からその存在意義を高めるためには、さらなる保障の充実を図る必要があると言えます。
保険会社が提供する子ども保険は、その保障対象が子どもだけでなく、契約者である親も含まれるという点で、他の保険に比べてコストパフォーマンスが優れている場合が多いです。
しかしながら、加入する側は国と民間、双方の「子ども保険」がどのような変化をたどるのか、常に注視していく必要があるでしょう。
※この記事は、2018年4月時点の情報に基づいて作成されています。
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